その他の遺伝子型検査(SCD)
ステアロイル−CoAデサチュラーゼ遺伝子型(SCD)
対象品種:黒毛和種
牛肉の風味や食感は体脂肪中の不飽和脂肪酸の含有量が多いほど良いことが知られており、その含有量は多くの要因によって左右されると考えられています。ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)は、飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に変える酵素の一種であり、SCD遺伝子は、その878番目の塩基の違いにより、生成されるアミノ酸がアラニン型とバリン型に分けられ、アラニン型(H)の牛はバリン型(L)よりも不飽和脂肪酸の含有量が多く好ましい形質であることが判明しています。 したがって、SCD遺伝子型を検査することによって、その牛の体脂肪の不飽和脂肪酸の含有量の多少とともに、子孫に伝える遺伝子の優位性を判定することができます。
・検査成績の表示法
SCD-HH | SCDのアミノ酸がアラニンである遺伝子を2つ持っており、SCDが及ぼす飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に換える働きは、3種類の遺伝子型の中で最も強くなります。 |
SCD-HL | SCDのアミノ酸がアラニンである遺伝子を1つ持っており、SCDが及ぼす飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に換える働きは、3種類の遺伝子型の中間です。 |
SCD-LL | SCDのアミノ酸がアラニンである遺伝子を持っていないため、SCDが及ぼす飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に換える働きは、3種類の遺伝子型の中で最も弱くなります。 |