ホルスタイン種の遺伝的不良形質(CVM)
複合脊椎形成不全症(CVM:Complex Vertebral Malformation)
対象品種:ホルスタイン種
本症は、胚の発生初期に細胞内で体節や脊椎の分化に関与するSLC35A3遺伝子の変異により発生する常染色体劣性の遺伝的不良形質です。主な症状は流・死産による出生率の低下、あるいは新生子の奇形による死亡がみられます。奇形の特徴は、頚部や胸部脊椎の短縮、両前肢手根骨関節や飛節関節の左右対称的収縮と捻転で、心奇形を伴なう場合もあります。
・検査成績の表示法
CVF(TV) である |
正常遺伝子のみで、疾患遺伝子を持たないため、牛複合脊椎形成不全症になりません。子に疾患遺伝子を伝えることはありません。 |
CVC(CV) である |
正常遺伝子と疾患遺伝子を持っています。牛複合脊椎形成不全症を発症することはありませんが、1/2の確率で子に疾患遺伝子を伝えるため、交配する牛によっては、子に疾患型が現れることがあります。 |
CVMである | 疾患遺伝子のみを持つため、牛複合脊椎形成不全症になります。 |
CVMによって死亡した子牛。 | 疾患牛の骨格標本-椎骨が癒合している。 |
(写真提供:酪農学園大学獣医学部 永幡 肇 教授) |