ホルスタイン種の遺伝的不良形質(CD/HCD)
コレステロール代謝異常症(CD/HCD:Cholesterol Deficiency / Holstein Cholesterol Deficiency)
対象品種:ホルスタイン種
本症は、脂肪代謝に関与するAPOB遺伝子の変異によって発生する常染色体劣性の遺伝的不良形質です。発症牛は正常な体格で生れますが、ほとんどの個体が3週〜6か月で死亡します。主な症状は、慢性下痢、肺炎、浮腫、発育不全で、血中コレステロール濃度が極めて低くなるのが特徴です。
・検査成績の表示法
CDFである | 正常遺伝子のみで、疾患遺伝子を持たないため、コレステロール代謝異常症になりません。子に疾患遺伝子を伝えることはありません。 |
CDCである | 正常遺伝子と疾患遺伝子を持っています。コレステロール代謝異常症を発症することはありませんが、1/2の確率で子に疾患遺伝子を伝えるため、交配する牛によっては、子に疾患が現れることがあります。 |
CDSである | 疾患遺伝子のみを持つため、コレステロール代謝異常症になります。 |
発症個体(左:44日齢、右:3ヶ月齢) | |
(写真提供:帯広畜産大学 猪熊 壽 教授) |