SNP検査の技術
ゲノミック評価には、SNP検査と評価値計算の2つの工程があります。現在乳用牛で行われているゲノミック評価では、SNP検査は当研究所で、評価値計算は(独)家畜改良センター改良部情報分析課で行っています。検査の受付は(一社)日本ホルスタイン登録協会が行っています。
現在、欧米や日本を中心に乳用牛で行われているゲノミック評価はすべてアメリカで開発されたSNP検査技術を利用しています。これはイルミナ社が販売しているビーズチップというものを用いています。ビーズチップは3種類が販売されており、それぞれ一度に検査できるSNPの数が違い、多く検査できるものほど価格も高くなります。日本でゲノミック評価に使われているものは、そのうちの2種類で、約7,000のSNPが検査できるLDチップと、約54,000のSNPが検査できる50Kチップです。
SNP検査は、毛根からDNAを取り出すDNA抽出工程とDNAを用いてSNPの遺伝子型を検査するSNPタイピング工程があります。DNA抽出は、毛から毛根部だけを切取り、溶解液に浸します。毛根が溶けた溶解液を精製してDNAのみを含む溶解液にしていきます。SNPタイピングはDNA抽出で得られたDNAの溶液を、薬品や酵素で処理し、ビーズチップと反応させ、反応結果を特殊なスキャナで読み取ります。読み取った画像データを専用ソフトウェアで解析し、各SNPの遺伝子型を決定します。なお、SNP検査の作業としてはLDチップと50Kチップの違いはほとんどありません。
ビーズチップBovine SNP50 v2
ビーズチップ用スキャナiScan