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豚の抗病性遺伝子型検査 (DNAマーカー含む)
 

EIR(エイル)

PCV2(豚サーコウイルスU型)感染での斃死防止効果を確認

PCV2感染での出生時生存割合の増加を確認

デュロック種以外で母豚のマーカー型と繁殖性(生存産子数)に関連性が見られている

・デュロック種以外の品種ではおおむねゲノム構造は保存されているとみられるが未検証です

・in vitro(細胞を使った)試験での効果発揮のメカニズム解明はこれから実施予定

特許出願:発明の名称「豚のウイルス抵抗性の判別方法、およびその利用」 特願2021-065096(農研機構、岐阜県))

       

NOD2

2197:多くの西洋品種でC型を確認(0〜50%弱)

ペプチドグリカン認識が増強される

・ペプチドグリカン(正確にはその構成成分のムラミルジペプチド)の認識がC型で上昇することをin vitro(細胞を使った)試験で確認

(Mol. Immunol. 47:247-252, 2009)

PCV2感染での斃死防止効果確認

・PCV2感染時の斃死との関連性についてデュロック種豚群で確認

(Genes 12:1424, 2021)

母豚の遺伝型が繁殖性(生存産子数)等に影響

(第131回大会日本畜産学会@帯広畜産大学)

・と畜場での腸管および肺炎の有病率、重症度の違いを確認

(第129回大会日本畜産学会@東北大学)

       

NLRP3

2906:ランドレース・大ヨークシャー(G型が10%程度)

不活化ワクチン抗体応答増強効果を確認

・NLRP3の炎症誘導能について、G型で上昇することをin vitro(細胞を使った)試験で確認

(Immunogenetics 68:693-701, 2016)

・不活化ワクチン(豚胸膜肺炎ワクチン/グレーサー病ワクチン)接種時の抗体応答について、遺伝型が影響を与えることを大ヨークシャー豚群で確認

(Anim. Sci. J. 89:1043-1050, 2018)

農研機構研究成果情報 豚のワクチン応答能を向上させるDNAマーカー

・アジュバントに対する応答増進が抗体応答増強の原因であることが想定されるが他のワクチンについては検証が必要。いわゆる生ワクチンについての効果は未検証。

       

NOD1

1922:デュロックでA型(機能低下型)が存在(その他の品種では主にG型)

2752:多くの品種で多様性がありA型(機能低下型)およびG型が存在

ペプチドグリカン認識が増強される

・ペプチドグリカン(正確にはその構成成分のiE-DAP)の認識が1922/2752ともにA型で低下することをin vitro(細胞を使った)試験で確認

(Mol. Immunol. 63:305-311, 2015)

・と畜場での腸管および肺炎の有病率、重症度の違いを確認

(第129回大会日本畜産学会@東北大学)

       

TLR5

1205:ランドレース種でT型が10〜50%存在

サルモネラ等細菌のべん毛に対する認識に影響する

・細菌のべん毛タンパク質(フラジェリン)に対する応答がT型で下がることを確認

(Mol. Immunol. 48:1114-1120, 2011)

・サルモネラ菌の実験感染で排菌量、発熱継続期間がT型で増大する傾向が見られました。

(Microbiol. Immunol. 62:380-387, 2018)


各遺伝子型における頻度について
(EIRについてはデュロック種の頻度です)
名称 高頻度  低頻度 
EIR(エイル)  抗病性型 感受性型 
NOD2 2197 A型  C型 
NOD1 1922 G型  A型 
NOD1 2752 G型  A型 
NLRP3 2906 A型 G型 
TLR5 1205 C型  T型 

《ご利用上の注意事項》

1. 豚群でのフィールド試験、感染実験あるいは細胞レベルでの試験で効果について確認しています(必ずしも「及び」でないことに注意)が、効果については集団の状況(感染症の蔓延状況や病原体/ワクチンの種類、環境要因)に大きく左右されると考えられるので、その点を踏まえた上での利用が望ましい。

2. 遺伝子型頻度は研究当時の個体群で調査した結果になります。

3. 豚抗病性遺伝子型という名称ですがDNAマーカーも含みます。

4. 一般的な西洋系商用品種以外(イノシシ等)では遺伝子型の頻度は商用品種と大きく異なることがあります。


本研究は生研支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」の支援を受けて行った。

・農林水産省委託プロジェクト

「豚抗病性改善指標のin vitro評価系の構築(2019〜2021年度)」

「抗病性指標の評価を活用した健全養豚実現体系の構築(2022〜2026年度)」

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