親子判定・個体識別を支える技術
DNAを用いた親子判定
生物学的な親子関係を科学的に証明するには、DNAは現在の技術で最も正確性の高い手法です。DNAは細胞の核の中に含まれており、どの部位から採取しても同じ情報を得ることができます。また、双子の場合を除いて、その個体特有の情報を持っています。
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DNAによる親子判定は、親のDNA型が、子へと正確に遺伝しているか否かを調査し、複数のDNAマーカーの結果を基に総合的に判断します
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マイクロサテライトマーカー
DNAの中には、2〜4個の塩基を一単位として複数回繰り返している部位、マイクロサテライトと呼ばれるDNAマーカーが多く存在しています。このマイクロサテライトの繰り返し数は、同じ部位でも個体間によって異なるため、親子判定や個体識別に有効なマーカーとして知られています。
我々は、これらマイクロサテライトマーカーの16〜52種類を調べることで、精度の高いDNA型親子判定の結果を提供しています。
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父権否定確率
父権否定確率とは、「真でない父を否定する確率」です。使用するDNAマーカーの繰り返し数、DNAマーカーの数などに左右されます。現在我々が基本セットとして用いている18種類のマイクロサテライトマーカーでの父権否定確率は、父子関係で99.9 %(母親の情報がない)、父母子関係で99.999 %(母子関係は矛盾なし)です。